革製品の革って牛・馬・豚? 革の種類を革を良く知る鞄職人が徹底解説!

みなさま、こんにちは。
Graging Toolsです。

このブログでは、みなさまに少しでも革製品に興味を持ってもらおうと革についての知識や有益な情報、おすすめのアイテムなどを紹介していこうと思っております。

革の魅力が少しでも多くの方に伝わるようにお送りしていくつもりですので、よろしくお願いいたします。

今回は革製品に使用されている革について説明させていただきます。
革製品と聞いて、革っていったいなんだろう?と疑問に思ったことはないですか?

「革製品っていうけど、革っていったいなに?」
「わからないけど、一般的には牛とか?」

という会話を私自身も耳にしたことがあります。

そこで今回は、そんな革製品に使用される革の種類とそれぞれの特徴を紹介していきます。
 

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○牛革

○羊革

○豚革

○馬革

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◎代表的な革の種類とその特徴
 

○牛革

牛革とは、その字のとおり牛の皮から作られる革で、英語でカウレザーといわれています。

牛革に使用される牛は、食肉として消費される牛の皮をつかうことが多く、比較的安定して生産することができる素材です
牛革は、流通が多くわたしたちにとって身近な革であり、バッグや財布といった日常で使うさまざまな製品に使用されています。
特徴としては、まずは耐久性が高いことがあげられるでしょう。
牛革はとても丈夫で、皮の表面が平らで皮膚の繊維組織が均一です。
そのため、強度が高く加工もしやすいので、さまざまな物に使用されているのです。

次に質感の変化を楽しむことができる点です。
使う年数によって、色合いや質感の変化を楽しめます。
徐々にオイルや手垢などが馴染み、見た目が変化して味が出てきます。これをエイジングと呼び、革製品を長く使う楽しみの一つでもあります。
牛革はエイジングが楽しめる素材の一つで、愛着のある個性的なアイテムに育てるにはぴったりな素材でしょう。

長く愛せる一方で水に弱いという特徴を持っています。
この特徴は、牛革だけにいえることではなく、本革製品は基本的に水には弱いものです。
濡れたまま放置してしまうと水あとが残ったり、変色してしまう場合も。
雨が降りそうな日は使用を避ける、または防水スプレーで対策するようにしましょう。
牛革は、さらにたくさんの種類と名称があるのですが、それは別の機会に詳しく紹介しようと思っておりますので、お楽しみに。
 

○羊革

羊革もその字のとおり羊の皮から作られる革で、英語でシープスキンやラムレザーといわれています。
そんな羊革最大の特徴は、なんといっても柔らかい手触り。
羊の皮は、そもそも毛の成長を支えるためのものであるため、他の皮と比較すると強度や耐摩耗性は低くなってしまいますが、それを補うほどのしっとりと手に吸い付くような触り心地は非常に魅力です。

羊革は柔らかいのですが、銀面(毛や表皮を取り除いた真皮の表面)が丈夫なので、高級手袋、ジャケット、コートなどに使用され。ることが多く、高級素材のイメージもあるでしょう。

そんな羊革の中には、生後1年以内の子羊の皮を使用した「ラムスキン」といわれているものがあり、通常の羊革よりも薄い・軽い・柔らかいが特徴の高級素材があります。
さらに、生後半年以内の子羊の場合は、「スーパーラムスキン」「ベビーラムスキン」と言われ、非常に高額で取引されています。

最大の特徴はキメ細やかで美しい表面と、うっとりするような心地よくやさしい手触りをもっていること。く数々の高級ブランドのバッグなどで用いられてるのも納得できます。
 

○豚革

豚革は、豚の皮から作られる革であり英語でピッグスキンといわれています。
豚革は、ほかの革とはあきらかに違う最大の特徴があります。
それは革にくっきりと3つ並んだ毛穴。この特徴からすぐに豚の革と見分けることが可能なのです。
なぜ毛穴があるのかというと、豚は毛が皮膚の深いところから生えており、革の裏側まで毛穴が貫通しているからです。
流通する革のなかでは、豚と象でしか見られない特徴なのです。

革自体の軽さも特徴の豚革は、薄くしても丈夫で通気性・透湿性が高く、ちょっとした汚れなら簡単に落とすことができ、お手入れも簡単です。
その薄くて丈夫という特徴を生かし、カバン・財布・靴などに使われることも多いのです。
加工もしやすく硬くも柔らかくもすることが可能で、床面(革の裏側)を起毛させてスエードにしたり、アメ豚といわれる光沢のあるキャメル色の革に加工することができます。

豚革は、日本国内ではランクの低い革とされている傾向にあるのですが、ヨーロッパでは高級な素材として認知され、とくにカバンの素材として理想的と考えられており、数々の高級ブランドでも使用されています。


○馬革

馬の皮から作られる革でホースハイドやホースレザーといわれており、しなやかで柔らかな手触りが特徴で、革素材として利用できる面が広いため、衣類やインテリアに活用されることが多い素材です。

馬革は、牛革よりも繊維の密度や強度が低く原皮の傷が多いのですが、そのなめらかさと馬革独特の風合いから、経年による変化を楽しめる革として愛されています。

そんな馬革には、「コードバン」「ポニーレザー」「ホースフロント」という種類があり、それぞれに特徴があります。
まずコードバンは、規格外の強靭さを持っており高級素材として馬革の中でも別格です。
コードバンは、大型馬の尻の革が使用されており繊維が緻密で硬く、独特で上品な光沢に多くの人が魅了されています。
ほかの革と違い床面を表にして使用するところも特徴になります。
そんなコードバンは、希少価値が高いため「革の宝石」「革のダイアモンド」という呼称がついているほどです。

ポニーレザーは、小型の馬ポニーの革を使用したものであり、馬毛を生かしたまま、なめされることが多く、軽くてやわらかく手触りがよい特徴があります。

ホースフロントは、馬の首の部分の革のこと指しており、やわらかく滑らかで繊細という特徴があるのですが、摩耗性が低いためジャケットなどの衣類に使われることが多いのも特徴です。


◎まとめ

いかがでしたでしょうか。
代表的な革の種類4つと特徴を簡単に説明させていただきました。
このように、革製品と一口にいっても多くの種類があります。

それぞれに上記にあるような特徴や個性があるので、丈夫さ、触り心地、エイジングなど重視するポイントや使用する場所などを踏まえて選んでいただければ、生活の質を何段階も引き上げることができ、長く愛用できる革製品と巡り合えると思います。

最後まで読んでいただいて、本当にありがとうございます。

それでは、今回はこの辺で。
ありがとうございました。

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