革製品の魅力や知識についてお伝えしているこのブログ。
今回は、革製品の世界的な品質基準「LWG認証」についてご説明したいと思います。
最近どの業界でも「環境にやさしい」ものづくりが提唱されていますよね。
革製品を扱う現場も同様です。
では具体的にどういった取り組みが「環境にやさしい」と言えるのでしょうか。
そして、「LWG認証」品質の革製品とはどういったものなのか?
世界的観点を持った革製品についてみていきましょう。
「LWG=Leather Working Group」は、2005年に設立されたレザー業界の環境保護団体です。
イギリスに本部があります。
実は、原皮から革を作る際には、大量の水と化学薬品が使用されています。
このような現状を受け止め、皮革製造工場においても持続可能で適切な環境ビジネスを実現するために設立されたのが、LWGなのです。
現在、世界60カ国以上に、2000を超えるステークホルダー(利害関係者・会員)がいます。
LWGのステークホルダーとは、レザーに関するブランド、タンナー(製革業者)、薬剤メーカーなどがあげられます。
このうちタンナー(製革業者)が「LWG認証」を取得するためには、大きく4つの審査基準をクリアする必要があります。
1, 環境への配慮
2, 製造工程における安全性 (使用禁止物質を使わない)
3, 工場内の安全な設備 (適切な排水処理)
4, 原料から最終工程までのトレーサビリティ実施
これらの厳格な国際基準を満たした製革業者にのみ「LWG認証」が与えられるのです。
では、具体的にどのような取り組みが「LWG認証」基準なのか、その特徴をみてみましょう。
例えば、徹底した環境への配慮とは、すなわちサスティナビリティに直結します。
水・電気、エネルギーの使用量を大幅にカットすること。
革を作る際に出る余分な物質を適正に処理することで、持続可能な革づくりが可能になります。
また、規制物質リストを厳守することも、取り組みの大きな要点です。
日々更新される徹底した薬品管理。
レザーの成分検査も世界基準をクリアするものにする。
そうすることで、レザーの安全性が保たれることにも繋がります。
SDGsへの取り組みも、具体的な特徴の一つと言えます。
国連が定めた国際社会共通の開発・目標の達成に努力することが、「LWG」会員には求められているといっても過言ではありません。
ここ数年、LWGに加盟するタンナー(製革業者)やブランドの数が急激に増えています。
LWG認証を受けた革を使うことが世界の主流となっているのです。
その証として、すでに世界的に有名なブランドのほとんどはLWGに加盟しています。
LWGには監査機能があり、常に皮革メーカーの環境コンプライアンスとパフォーマンス能力をLWGの環境監査基準に照らし合わせて評価しています。
「LWG認証」タンナーでなめした革を使っている製品を扱うことは、ブランドにとっては高品質・安心安全の証となります。
消費者にとっても製品を通して「地球環境にやさしい」取り組みができるということになるのです。
今回は、レザー業界の世界基準「LWG認証」について、団体の目的や認証基準、取り組みなどをご紹介しました。
私たちが日頃何気なく手に取るレザー商品には、「LWG認証」を取得しているタンナーからレザーの供給を受けて作られたものと、そうでないものが存在します。
どちらが「環境にやさしい」か、は一目瞭然ですよね。
環境にやさしくサスティナブルな「LWG認証」を得た革は、それだけで地球環境最高品質のレザーと言えることができるのです。