革の歴史をたどる

 

みなさんこんにちは。

Graging Toolsです。

革の魅力やお役立ち情報、革にまつわる豆知識をお伝えしているこのブログ。

 

今回は、「革」の歴史についてご紹介したいと思います。

 

人間は旧石器時代から狩猟を行い、毛皮をまとってきたと言われています。

人類との付き合いがとても長い「革」。

どうやって私達は「革」と向き合ってきたのでしょうか。

その営みを振り返ります。

 

 

**********目次

 

◎「皮革」とは

   ⚪︎「皮」と「革」の違い

 

◎「革」の歴史

   ⚪︎現存する最古の革製品

   ⚪︎「革の中の革」とは

 

◎日本の「革」の歴史

   ⚪︎古代から使われていた革製品

   ⚪︎戦国時代から江戸時代へ

 

◎ まとめ

 

**********

 

 

◎「皮革」とは

 

⚪︎「皮」と「革」の違い

 

「かわ」を漢字変換すると「皮」と「革」両方が出てきますよね。

みなさんは、この「皮」と「革」の違い、わかりますか?

 

皮は生の状態だと腐りますし、乾燥すると硬くなってしまいます。

鞣(なめ)しという腐食を施した加工をするか否かが、キーポイントです。

 

つまり生の状態を「皮」、鞣しを終えたものが「革」。

英語では、「皮」をスキンと呼び、「革」はレザーとなります。

 

古代の鞣しの方法は、動物の皮を横に両手でピンと張っていたそうです。

漢字の「革」は、その姿が由来とされています。

また、「革」という漢字は、革命や改革という字にも使われますね。

その意味は「あらためる」というもの。

 

「革」は「皮」の性質を変えたものという意味合いもあるのです。

 

 

◎「革」の歴史

 

⚪︎現存する最古の革製品

 

革は鞣し加工を施したもののことを指します。

人類が毛皮を鞣し始めたのは、紀元前3000年より前だとされています。

 

というのも、アルプス・チロル地方の標高3200メートルにある氷河で、革製の帽子や服を身に纏った冷凍ミイラが発見されたのです。

1991年のことでした。

アイスマンと呼ばれたそのミイラは、紀元前3300年ごろのものと推定されました。

5種類以上の動物の皮が使用されていて、当時から既にさまざまな種類の毛皮を、用途に合わせて鞣していたことがわかったのです。

 

この発見から17年後の2008年、新たな革製品がアルメニアの洞窟で見つかります。

モカシンに似た革靴でした。

こちらは、紀元前3500年ごろのものと判明。

革靴は、牛革製でほぼ完全な形で残っていて、靴ひももありました。

 

これが、今のところ現存する最古の革製品とされています。

 

⚪︎「革の中の革」とは

 

中世のころになると、鞣しの方法や加工技術がどんどん発展していきました。

革はさまざまな商業組合によって管理されるようになります。

 

当時は、アラブの人々が最高の革製品の技術者とみられていました。

ヤギから作るモロッコ革が高く評価されていたのです。

 

1760年代に入ると、イギリスでタンニンエキスを鞣しに使う方法が考案されました。

タンニンによって鞣した牛皮は、「ヌメ革」と呼ばれ、今でも「革の中の革」として最高品質を誇っています。

 

ただし、タンニンの鞣しは大量生産に向かず産業革命以降、「クロム鞣し」というものが普及します。

 

「クロム鞣し」とは、クロム、アルミニウム、鉄などで皮を鞣す加工のことです。

現在では、この「クロム鞣し」が主流となっています。

 

 

 

◎日本の「革」の歴史

 

⚪︎古代から使われていた革製品

 

日本でも古代から革製品があったと考えられています。

 

「日本書紀」によれば、4世紀ごろ百楽から革を裁断する技術が伝えられ、4世紀末には、革職人が渡来し革を製造したとされています。

 

大阪府豊中市の古墳からは、約1600年前のものと思われる革製の盾や鎧が発見されています。

また、奈良県の古墳からは、約1300年前のものとみられる鹿の革の袋(ポシェットのようなバッグ)が見つかっています。

このころの革製品は、おもに天皇や貴族のような上流階級のために用いられていました。

庶民の間に広まるのはずっと後になってからです。

 

⚪︎戦国時代から江戸時代へ

 

戦国時代になると、革は戦(いくさ)の場で重宝されるようになります。

革は鉄よりも軽く硬さがあったため、鎧兜に使われたのです。

鎧の部分には牛革に漆を塗ったもの、兜には鹿の革に装飾を施したものなどが用いられました。

 

戦国時代が終わり、江戸時代に入ってやっと革製品は庶民の手の届くものとなります。

 

財布やたばこ入れ、雪駄や羽織ものなど身近なものに次々と取り入れられました。

布よりも燃えにくかったことから、火消しの纏(まとい)にも用いられています。

 

 

◎ まとめ

 

古代から私たちの身近にあった革製品。

鞣しの技術が発達すればするほど、より高品質で丈夫な革製品が登場してきたようです。

そのデザインや品質は、今でも衰えない魅力を持っています。

はるか昔の先人から受け継がれている革製品の知識や技術、これからも輝き続けることでしょう。

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